ニッポンの森を守り育てるまち、かわさき
国土面積の約3分の2を森林に覆われる日本は、世界有数の森の国です。
木は成長過程で二酸化炭素を吸収し、
木材として利用することで長期間貯蔵が可能です。
木材利用は、脱炭素社会の実現を推進する要素の一つと言えます。
しかしながら、日本の林業は輸入材などに押されて厳しい状況におかれ、
荒廃した人工林は自然災害の一つの要因になっています。
川崎市は、典型的な木材消費地である特徴と強みを生かし、国産木材の利用促進・普及を図ることを目指し、平成27年に川崎市木材利用促進フォーラムを設立しました。
国や、地域の森林と密接な関係を構築し、都市にしかできない国産材利用、林業活性化への取り組みを行い、脱炭素社会の実現に寄与します。
地球規模で自然環境を守る
高度経済成長期以降、主に建築物は鉄鋼やRC造、新建材と呼ばれる化学建材によってつくられてきました。しかし、そうした工法、建材は製造段階で多くの二酸化炭素を放出するうえ、廃材となっても環境に影響を与えるなど、決して人と環境にやさしいものばかりではありません。
しかし、木材は成長段階で多くの二酸化炭素を吸収して酸素をつくります。木材として利用されても二酸化炭素はとどめ置かれるため(炭素の固定)、環境負荷の低減につながります。
「木を使うのは森林破壊だ!」というのは勘違い。逆に森林を健全に保ち、地球規模の環境を守るためにも国産材を適切に使うことは必要です。外国産材の一部は貴重な原生林の伐採によって成り立っていることもあり、適正に管理された国産材のほうが、環境負荷を低く抑えることができるのです。
川崎市が2020年に策定した脱炭素戦略「かわさきカーボンゼロチャレンジ2050」の実現のためにも、国産木材の利用を促進していきます。
暮らしやすく、働きやすい、
木のまち・かわさきを目指します
木材はそこで暮らす人を健やかにしていきます。木の香りにはリラックス効果があり、免疫力の向上、血圧を下げる作用、睡眠の質の向上など、様々な健康効果があることがわかってきました。また、木には調湿作用もあり、不快なジメジメや感想を抑え、家の中の空気を快適にしてくれます。部屋に木が使われているだけで集中力が増したり、落ち着いた気分にもなります。
国産木材を使うことは地球の環境を守るため、地域経済活性化という大きな目標にもつながりますが、何よりも私たち自身にとって、良い影響をもたらしてくれます。
木のまち、かわさき。それは、都市で暮らす私たち、地域でくらす人たち、そして、地球に暮らすすべての人たちにとっても優しいまちなのです。
活動内容
川崎市木材利用促進フォーラムに集う有識者や自治体、民間企業など多岐にわたる会員が連携し、『建築物の木造木質化、木の空間づくり』および『国産木材の利用意義を広く市民に伝える普及啓発』を中心とした取組を推進しています。
また、フォーラム会員により企画提案された木材利用を促進する取組は、賛同する複数の会員が『会員プロジェクト』を立ち上げ、企画・計画・取組の試行を行っています。
- 木材・資材、設計、建築工事、木育など建築物に係る各分野が有する課題等の整理
- 木材に関する建築技術、流通等に関する情報を共有するための取組
- 木育等による木の価値の向上及び癒し効果の普及のための取組
- 新たなビジネスマッチングの機会の提供
- 木材利用に関する先進事例の紹介、講演会等を通じた木材利用の普及啓発
- 木材利用に関する技術力向上のための技術者の派遣
- その他本フォーラムの目的を達成するために必要な取組