『川崎という都会に住む子供達にも森林や木材について、SDGsとの関係について「気づき」の場を提供し、森を守る意義を感じ取ってもらいたい』
そんな思いをもつ4人のフォーラム会員が中心になり、小学校高学年向けの出前授業を企画。川崎市中原区の平間小学校にご協力いただき、5年生の全生徒約100名を対象に、出前授業を開催しました!
平間小学校の校長先生や5年生の先生方との話し合いを重ね、今回は、社会科の林業の授業のうち4コマ分をご提供いただき、子どもたちに日本の森や林業に対する「気づき」の場を提供するとともに、木材を使ったものづくりの楽しさなどを伝えました。
【プロジェクトメンバー(フォーラム会員)】
・ナイス株式会社 宮川さん
・ジェクト株式会社・中原工房 小水内さん
・ハフニアムアーキテクツ 福山さん
・株式会社豊受 水越さん
【出前授業テーマ】森林・林業とSDGs
「森を知る」~2022年2月9日(水)開催
まずは座学を中心に人の暮らしと森の関わりについて、そして林業の現状についてPPTや動画を使って紹介しました。
フォーラム行政部会会員でもある山北町で活躍する林業家の石田貴久さんに協力いただいた動画を通じ、人工林の現状や、放置された人工林の現状の姿を映像で紹介。
森や木についてほとんど関心がないと言っていた子供たちが、フォーラム会員からなる先生たちの話を真剣に聞きいり、森の役割や、日本の森・林業を取り巻く様々な課題を初めて知り、ただただ驚くばかり。
授業を終えた子供たちの感想を一部ご紹介します。
「植えられてから50-60年たって切らなきゃいけない木がたくさんあるけど、使うところがなくて切れない木がたくさんあるってことを知った」
「若い木が成長するときがたくさん二酸化炭素をすうから、特に大事だということにびっくりした‼」
「森ってすごいんだね」
そんな感想を言い合う姿を見ながら、初回の授業は終了しました。
「木を知り・木で作る」~2022年2月14日(月)
2回目は、建築の材料として使われる木の特徴や建築技術について、PPTや模型を用いて紹介。そして、メンバーの会員が山北町の森林で伐採した輪切りをしたヒノキの年輪を数えたあと、この輪切りを使ったワークショップとしてヒノキのブックスタンドをみんなで制作!
ヒノキの香りに包まれながら、慣れない手つきでやすりをかけ、ようやく完成!
「コンクリートじゃなくても、木でも安全なたてものが作れるなんて!」
「木を切ることで森の土砂くずれを防いだりしてくれることをしゃしんでせつめいしてくれて、詳しく学べました。最初あまり興味なかったけど、この授業をうけて木に興味が持てたので、よかった。工作はすごい楽しかった!」
「森と木の新しい使い方を考える」~2022年2月18日(金)
最終日は、最新の様々な木の利用事例を紹介したあと、グループに分かれて木や森の新しい使い方についてワークショップを開催しました。
発表してもらったアイディアの8割は、木を材料として既に商品化されているものでしたが、なかには
「まち中の標識を全部木にしたら、木も使えるし、町の人も木に興味をもつのでは?」
「森に国会議事堂を作って政治家にも森をもっとすきになってもらったらいい」
など、大人には考えつかないユニークな意見も挙がりました。
「林業の勉強をして木が大切なんだ!ということが分かりました。今、昔より木の使用率が減っているからこれから木をどんどん使っていかなければならないと思います。」
「5000年も前からひとが木を使っていたなんて、ほんとうにおどろいた。」
「木のビルや車や自転車、木のジェットコースターまであるなんてビックリ!」
「鉄やアルミでつくられているものを、できるものから木にしていくことで、環境をかえることができる‼買うものからすこしでも木かどうかなど、木を気にしてみようと思いました」
子どもたちから心強い言葉をたくさんもらいました。
今回の取組を軸に、メンバーでは将来にむけて小学生向けの出前授業のパッケージ化や、川崎市内の全小学生が授業を受けられる体制つくり、林間学校と連動した授業の展開などができるといいねと話をしています。
今回のコンテンツをより効果的な取組とするために、続けて木育に関心がある事業者の皆さんや、学校関係の皆さんと協働、共創したいと思います。
出前授業の企画運営、所属組織での実施にご是非がある方はお気軽にお問合せください。