ニッポンの森を守り育てるまち、かわさき

国土面積の約3分の2を森林に覆われる日本は、世界有数の森の国です。
しかし、輸入材などに押され、日本の林業の市場規模は縮小、就労人口も最盛期の半分以下になった時期もありましたが、近年になり、森林資源の見直しが進んでいます。
内装化や化粧材での利用はもちろん、法律が改正され構造材としての利用も可能になりました。耐火性能や強度を増すための技術開発を経て、高層ビルでの利用も広まりつつあり、国を挙げて、国産材の利用拡大に向けて取組が行われています。

川崎市には森林は少なく、林業に携わる方もほとんどいません。
だけど、人口が多く、建築物が多い『都市』だからこそ、多くの国産材を使うことができ、日本の林業、森林を守ることができるはず。
川崎市だからできる、日本の森林・林業を守るための国産材の利用を促進する取組を行っています。

地球規模で自然環境を守る

高度経済成長期以降、主に建築物は鉄鋼やRC造、新建材と呼ばれる化学建材によってつくられてきました。しかし、そうした工法、建材は製造段階で多くの二酸化炭素を放出するうえ、廃材となっても環境に影響を与えるなど、決して人と環境にやさしいものばかりではありません。

しかし、木材は成長段階で多くの二酸化炭素を吸収して酸素をつくります。木材として利用されても二酸化炭素はとどめ置かれるため(炭素の固定)、環境負荷の低減につながります。
「木を使うのは森林破壊だ!」というのは勘違い。逆に森林を健全に保ち、地球規模の環境を守るためにも国産材を適切に使うことは必要です。外国産材の一部は貴重な原生林の伐採によって成り立っていることもあり、適正に管理された国産材のほうが、環境負荷を低く抑えることができるのです。
川崎市が2020年に策定した脱炭素戦略「かわさきカーボンゼロチャレンジ2050」の実現のためにも、国産木材の利用を促進していきます。

暮らしやすく、働きやすい、木のまち・かわさきを目指します

木材はそこで暮らす人を健やかにしていきます。木の香りにはリラックス効果があり、免疫力の向上、血圧を下げる作用、睡眠の質の向上など、様々な健康効果があることがわかってきました。また、木には調湿作用もあり、不快なジメジメや感想を抑え、家の中の空気を快適にしてくれます。部屋に木が使われているだけで集中力が増したり、落ち着いた気分にもなります。

国産木材を使うことは地球の環境を守るため、地域経済活性化という大きな目標にもつながりますが、何よりも私たち自身にとって、良い影響をもたらしてくれます。
木のまち、かわさき。それは、都市で暮らす私たち、地域でくらす人たち、そして、地球に暮らすすべての人たちにとっても優しいまちなのです。